毎年春と秋に公募される、東京都の「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」をご存じでしょうか?
設備投資に使える最大1億円の助成金です!
2024年秋予定の第8回はまだ公募されていませんが、採択には相応の準備期間が必要なため早めのご準備をお薦めします。
前回の公募情報を元にご案内しますので、申請の準備にお役立てください。
なお実際に申請する際は、必ず最新の募集要項をご確認ください。
※今回の内容は、以下の中小企業者が対象となります。
業種:大型設備投資を検討中の事業者
地域:東京都内に本店または支店がある企業
期間:第8回は2024年秋予定
ポイント:お薦めは「ゼロエミッション強化」での申請
目次 |
1.躍進的な事業推進のための設備投資支援事業とは
2.躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の内容 3.お薦めの事業区分 4.採択のポイント 5.申請上の注意点 6.まとめ |
東京都が、都内中小企業の自ら稼ぐ力を強化することを目的とし、新たに機械設備等を導入する経費の一部を助成する事業です。
本コラムでは、前回第7回の公募内容を元にご案内します。
詳細は下記をご参照ください。
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/yakushin.html
① 対象者
以下の要件を全て満たす事業者が対象となります。
・東京都内に登記簿上の本店、または支店があること
(ただし対象設備を都外に設置する場合は、都内に本店があること)
・基準日時点で、2年以上継続的に東京都内で事業を行っていること
・東京都に納税し、かつ滞納がないこと
・過去に本助成事業の採択を受けた場合は、
基準日時点で助成金の支給が確定していること
② 事業区分について
4つの事業区分ごとに、助成上限額と助成率が設定されています。
対象経費:機械装置・器具備品・ソフトウェアが対象
注) 1基50万円(税抜)以上のものに限る
建物・建物付属設備・工具・車両運搬具、中古品などは対象外
事業区分 | ゼロエミ
要件 |
賃上げ
要件 |
助成上限
額(※2) |
助成率 | |
Ⅰ 競争力・ゼロエミッション強化
/賃上げ促進
|
中小企業者
|
なし | なし | 1億円
|
1/2以内 |
○ | 2/3以内 | ||||
◎(※3) | 3/4以内 | ||||
〇 | 3/4以内 | ||||
小規模企業者
(※1)
|
なし | なし | 3千万円 | 2/3以内 | |
〇 | 1億円
|
2/3以内 | |||
◎(※3) | 3/4以内 | ||||
〇 | 3/4以内 | ||||
Ⅱ DX推進
Ⅲ イノベーション Ⅳ 後継者チャレンジ |
なし | なし | 2/3以内 | ||
◎ | 3/4以内 | ||||
〇 | 3/4以内 |
(※1) 小規模企業者:常用従業員数が「製造業・その他」の場合は20人以下、
「商業・サービス業」の場合は5人以下
(※2) ソフトウェア単独で申請する場合、助成金の上限額は1,000万円
(※3) 審査で「特に省エネ効果が高い」と認められた場合
最もお薦めの要件は、「競争力・ゼロエミッション強化(ゼロエミ要件有り)」です。
事業計画および「ゼロエミ要件」で高い評価を得ることができれば、最大の助成率である4分の3が適用されます。
① 競争力・ゼロエミッション強化とは
事業の競争力強化や省エネ推進に必要な機械設備を導入する事業が対象となります。例えば、量産体制の構築、生産工程の改善、生産性の大幅な向上を目指す設備導入が該当します。
② ゼロエミ要件について
「競争力・ゼロエミッション強化」では、特に高い省エネ効果が認められる設備投資に対して、助成率アップの優遇措置が適用されます。
優遇措置を受けるためには「ゼロエミ要件有り」で申請し、導入する設備の省エネ効果・技術の先進性などを説明した
「ゼロエミッション概要書」を提出する必要があります。
③ ゼロエミッション概要書について
ゼロエミッション概要書の様式は、以下をご参照ください。省エネ効果等の審査を経て、より高い助成率が決定されます。
公的機関等の認定や指定を受けた設備を導入する場合、省エネ効果や技術の先進性の記載が不要となるだけでなく、審査上も有利になります。
公的機関等からの認定や指定を証明する為には、 工業会が発行する「証明書」や、先進的省エネルギー投資促進支援事業における「補助対象設備一覧」などの提出が必要です。
本助成金の採択率は40%前後と、簡単には採択されません。
そこで採択を勝ち取るための3つのポイントをご紹介します。
① 事業計画書について
事業計画書は所定の様式があり「事業計画の優秀性」「事業計画の実現性」など記載項目が指定されています。10ページ以内という制限もあり、
事業内容を簡潔・的確にまとめる必要があります。図やグラフを活用し、審査員が理解しやすい工夫も重要です。
また、募集要項には審査項目のほか、記入例も掲載されているので、作成の前に一読しておくとよいでしょう。
② 収支計画書について
こちらも所定の様式があり、10年分の収支計画や投資回収、資金計画などの作成が求められます。
事業計画書に記載したアクションプランを実行した結果、会社の財務内容がどのように変化するかを示す書類です。
従って事業計画書の記載内容と、矛盾が生じないよう注意が必要です。
③ 面接審査について
書類審査に加え、2次審査で面接も実施されます。
審査官からは、技術面や収支面で踏み込んだ質問が出ることもあります。
2次審査で不採択となることもあるため、想定問答の整理や模擬面接など、しっかりと対策をした上で面接に臨む必要があります。
「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」を電子申請する際の注意点をまとめました。
① 申請予約が必要
申請予約は、必ずお申し込みください。
期限内に申請予約をしないければ、提出そのものができません。
② 「GビズID」が必要
申請書類等は電子申請(Jグランツ)で提出するため、ログインに必要な「GビズID」がなければ提出できません。
「GビズID」の発行は申込みから数週間かかるため、まだお持ちでない場合は、速やかに用意しましょう。
※GビズIDは以下サイトから手続きができます
https://gbiz-id.go.jp/top/
③ 事業計画書以外の提出書類にも注意
事業計画書以外にも、下記の通り様々な提出書類が必要です。
また、前述した「工業会の証明書」は、発行に時間がかかるため、早めに購入予定先へ依頼をしましょう。
・確定申告書(直近3期分)
・履歴事項全部証明書(個人事業主の場合は開業届)
・納税証明書(直近2期分)
・見積書 ・相見積書
・カタログ
・見積書採用予定の会社の会社案内
・機械設備設置場所関連書類(設置場所の地図や平面図等)
・会社案内 他
今回は「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」の助成金
をご紹介しました。
コンサルティング・ビジネス研究会のホームページでは、計画書作成支援を行っています。詳しくは下記ページをご確認ください。
我々コンサルティング・ビジネス研究会には、「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」の採択実績を
持つコンサルタントが多数在籍しています。
申請を検討中の方は、お気軽にご相談ください。
コンサルティング・ビジネス研究会 中島 彰文(中小企業診断士)
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