大幅に変更された今年のものづくり補助金について

毎年、多くの事業者が申請する「ものづくり補助金」ですが、令和5年度補正予算の17次公募から様々な変更がありました。

そこで本サイトでは、変更点のポイントをご紹介します。

申請をお考えの方は必見です。

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※今回の内容は、以下の中小企業者が対象となります。

業種:主に製造業(一部対象外の業種あり)

地域:全国

期間:令和6年3月1日締切(17次公募)

令和6年3月27日締切(18次公募)

ポイント:オーダーメイド設備の導入 or 新製品・新サービスの開発

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目次
1.ものづくり補助金とは?

2.今年の変更点のポイント

3.まとめ

1.ものづくり補助金とは?

ものづくり補助金とは、中小企業等の新たな設備投資を支援する補助金で、平成25年から毎年公募されています。

【基本情報】

■ 補助上限額 :最大1億円(後述。申請枠等によって異なる)

■ 補助率:3分の1~3分の2(後述。申請枠等によって異なる)

■ 補助対象経費:機械装置・システム構築費、技術導入費、外注費など

■ 基本要件:1)~3)をすべて満たす3~5年の事業計画を策定すること

1)付加価値額(※1)が、年平均3%以上増加

2)給与支給総額(※2)が、年平均1.5%以上増加

3)事業場内最低賃金(※3)が、都道府県ごとの最低賃金+30円以上

※1 営業利益・人件費・減価償却費の合計

※2 役員および全従業員に支払った給与等(給料・賃金・諸手当・賞与・役員報酬は含み、福利厚生費・法定福利費・退職金は除く)

※3 設備投資を実施する工場等で働く従業員の中の最低賃金(時給)

2.今年の変更点のポイント

17次公募から変更された主な点をご紹介します。

 

■申請枠の再編

申請枠が以下の4つに再編されました。

①省力化(オーダーメイド)枠

②製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)

③製品・サービス高付加価値化枠(成長分野進出類型(DX・GX))

④グローバル枠

 

それぞれの申請枠・類型の補助金上限額と補助率は、以下のとおりです。(補助下限額はすべて100万円)

申請枠・類型 補助金上限額 補助率
①省力化
(オーダーメイド)枠
従業員数 5人以下 750万円 中小企業 小規模

事業者等

6~20人 1,500万円 補助金額
1500万円
まで
1/2 2/3
21~50人 3,000万円
51~99人 5,000万円 補助金額
1500万
超部分
1/3 1/3
100人以上 8,000万円
②製品・サービス

高付加価値化枠
(通常類型)

従業員数 5人以下 750万円 中小企業 小規模

事業者等

新型コロナ
回復加速化
特例
6~20人 1,000万円 1/2 2/3 2/3
21人以上 1,250万円
③製品・サービス

高付加価値化枠
(成長分野進出

類型)

従業員数 5人以下 1,000万円 2/3
6~20人 1,500万円
21人以上 2,500万円
④グローバル枠 3,000万円 中小企業 小規模事業者等
1/2 2/3

 

また、大幅な賃上げに取り組む事業者には、補助金上限額が最大2,000万円まで上乗せされます。

申請枠・類型 補助金上限額 補助率
①省力化
(オーダーメイド)枠
従業員数 5人以下 1,000万円 中小企業 小規模

事業者等

6~20人 2,000万円 補助金額
1500万円
まで
1/2 2/3
21~50人 4,000万円
51~99人 6,500万円 補助金額
1500万
超部分
1/3 1/3
100人以上 1億円
②製品・サービス

高付加価値化枠
(通常類型)

従業員数 5人以下 850万円 中小企業 小規模

事業者等

新型コロナ
回復加速化
特例
6~20人 1,250万円 1/2 2/3 2/3
21人以上 2,250万円
③製品・サービス

高付加価値化枠
(成長分野進出

類型)

従業員数 5人以下 1,100万円 2/3
6~20人 1,750万円
21人以上 3,500万円
④グローバル枠 従業員数 5人以下 3,100万円 中小企業 小規模事業者等
6~20人 3,250万円 1/2 2/3
21人以上 4,000万円

 

■実績報告までの期間が短い

採択および交付決定後後に、発注・納品・支払・効果測定までを行いますが、第17次と第18次いずれの公募においても実績報告の期限が本年12月10日までと、かなりタイトなスケジュールです。

 

■新設された「①省力化(オーダーメイド)枠」の概要

人手不足の解消に向けて、デジタル技術等を活用した専用設備(オーダーメイド設備)の導入により、革新的な生産プロセスやサービス提供方法の効率化・高度化を図るために必要な設備・システム投資等に対して補助が受けられます。

 

「オーダーメイド設備」とは、ICTやIoT、AI、ロボット、センサー等を活用し、単一もしくは複数の生産工程を自動化するために、外部のシステムインテグレータと連携して、事業者の個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステム(ロボットシステム等)をいいます。つまり、既製品や量産品ではないと解釈されます。

デジタル技術等を活用しない、単なる機械装置等の導入は、省力化(オーダーメイド)枠の対象とはなりません。

 

■ 通常枠は「②製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)」に変更

通常類型では、革新的な製品やサービスの開発に必要な設備・システム投資等に対してが受けられます。

 

「革新的な製品・サービス開発」とは、顧客に新たな価値を提供することを目的に、導入する設備・システム等を用い、自社の技術力や強みを活かして、新たな製品・サービスを開発することを指します。

すでに相当程度普及している製品・サービスや、単に設備・システムを導入するにとどまり、製品・サービスの開発を伴わないものは該当しませんので、注意が必要です!

 

従来のように、設備導入による工程改善を図るだけでは補助対象とならず、他社が提供していないような新製品・新サービスの開発をしないと補助対象にならないと解釈されます。

 

■デジタル枠・グリーン枠が再編された

デジタル枠・グリーン枠がなくなり、製品・サービス高付加価値化枠(成長分野進出類型(DX・GX))に再編されました。

DX/GXの要件は以下のように定義されています。

DX:DXに資する革新的な製品・サービスの開発であること

GX:グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する革新的な製品・サービスの開発であること

 

通常類型と同様、設備導入による工程改善だけでは補助対象とならず、DX/GX分野での新製品・新サービスの開発である必要があります。

 

3.まとめ

今回の変更により、従業員数や申請枠によっては補助金額の上限が高くなるものの、補助率は全体的に低くなっています。

 

各申請枠・類型の要件をもとに、オーダーメイド設備の導入か新製品・新サービスの開発か、という視点で事業計画書を作成し申請する必要があります。

 

コンサルティング・ビジネス研究会では「ものづくり補助金」の申請をトータルでサポートしており、事前相談も随時承ります。

 

執筆者

コンサルティング・ビジネス研究会 執筆チーム(中小企業診断士)

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