最大1億円!東京都「躍進的設備投資助成金」を活用しよう

 東京都独自の施策で、大規模な設備投資向けの助成金である「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業(以下、躍進的助成金)」をご存じでしょうか?今回は躍進的助成金の概要や面接対策、お薦めの事業区分についてご紹介します。既に第6回募集のスケジュールが公開されていますので、大規模な設備投資を計画中の事業者様は、ぜひご検討ください。

東京都「躍進的設備投資補助金」

目次
1.躍進的助成金の概要
2.面接対策
3.お薦めの事業区分
4.まとめ
1.躍進的助成金の概要

躍進的助成金は先端技術を活用して、更なる発展を目指す中小企業に対し、機械設備等を購入する資金の一部を助成する、東京都の支援制度です。詳細は下記を参照ください。
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/yakushin.html?fbclid=IwAR3cCgdPpmH1EtPVBwbCdwwItiwJ0_F0xDf-hK-0c_SHTj6mNUwG0FGRocc

(1) 対象事業
 対象事業は、下記いずれかの事業区分に該当する必要があります。

事業区分 目的 具体例
Ⅰ 競争力・ゼロエミッション

強化/賃上げ促進

競争力強化や事業の省エネ(ゼロエミッション)の実現 – 量産体制・安定供給体制の確立
– 多品種少量生産への対応
– 生産工程の改善 など
Ⅱ DX推進 IoTやAI、ロボット等のデジタル技術を活用した、新しい製品・サービスの開発 – 機械制御の自動化・省力化
– 物流の効率化・受発注の効率化
– 生産ラインの最適化 など
Ⅲ イノベーション 都が指定する9分野(防災・災害対策など)における新たな事業活動 – 新製品の生産・新サービスの提供
– 新たな生産方式や販売方式の導入
– 新たな提供方式の導入 など
Ⅳ 後継者チャレンジ 事業承継を契機として後継者が行う、事業多角化や新たな経営課題への取組み – 事業転換に向けた新製品の生産
– 新たな事業分野への参入 など

(2) 助成率と助成金額
 事業区分ごとの助成率と助成金額は、以下のとおりです。

事業区分 助成率 助成金額(※3)
ゼロエミ

要件(※2)

賃上げ

要件

上限額 下限額
Ⅰ 競争力・ゼロエミッション強化/賃上げ促進 中小

企業者

× 2分の1以内 1億円 100万円
3分の2以内
4分の3以内
小規模

企業者

(※1)

× 3分の2以内 3千万円
1億円
4分の3以内
Ⅱ DX推進 3分の2以内
Ⅲ イノベーション
Ⅳ 後継者チャレンジ

※1 常用の従業員数(役員を除く)が下記に該当する事業者
製造業・その他:20人以下
卸売業・小売業・サービス業:5人以下

※2 省エネ効果の高さに応じ助成率を引上がる
※3 1基あたり税抜50万円以上の機械装置・器具備品
・ソフトウェアの購入経費が対象

(3) 申請資格
 以下の要件をすべて満たす必要があります。
・都内に登記簿上の本店または支店があること (注) 機械設備等を都外に設置する場合は、都内に本店があること
・都内で2年以上事業を行っていること 等

(4) 機械設備の設置場所
 《東京都内の場合》
・東京都内に登記簿上の本店または支店があること
・工場設置認可や認定を受けていること

《東京都以外の場合》
・東京都内に登記簿上の本店があること
・設置場所が神奈川、埼玉、千葉、群馬、栃木、茨城、山梨の各県内に所在する工場等であること
・工場設置認可や認定を受けていること

(5) スケジュール

申請受付 2023年10月30日~同年11月7日
1次審査(書類) 2023年11月初旬~2024年3月上旬
2次審査(面接)
助成対象者決定 2024年3月中旬
助成事業実施 2024年4月1日~2025年9月30日

(機械設備等の発注・納品・支払はこの期間に行います)

注) 申請には事前に「GビズIDプライム」アカウントの取得が必要です。アカウントの取得には約2週間程かかりますので、ご注意ください。取得手続きの詳細は、下記サイトをご確認ください。
https://www.jgrants-portal.go.jp/

2.面接対策

躍進的助成金は、ものづくり補助金等と異なり、書類審査に加え面接もあることが大きな特徴です。社外のコンサルタント等は、面接に同席できないため、申請者自身がしっかり準備して臨む必要があります。

(1) 面接における審査の項目
 面接の審査項目は、以下のとおりです。

事業計画審査 目的との適合性 申請区分と計画内容が合致しているか
優秀性 現状分析・課題・解決策が適切か
実現性 計画規模は妥当か
成長・発展性 設備導入後の効果は適切か
計画の妥当性 収支計画に具体性があるか
価格審査 機械設備等が一般的な市場価格に対して、著しく高額でないか

(2) 審査方法と対策
 面接審査はプレゼン5分間、質疑応答約20分間で構成されます。プレゼンでは提出した事業計画書をもとに、各審査項目を意識しながら補足説明をします。時間は5分間と短いため、あらかじめ原稿を用意し、何度も声に出して練習することをお勧めします。また、質疑応答では、面接官の質問を理解した上で、回答する必要があるため、事前の対策として想定Q&A作成と模擬面接が有効です。

3.  お薦めの事業区分

様々な事業区分がある中でお薦めは、「競争力・ゼロエミッション強化」です。その理由は下記のとおりです。

 (1) 高い助成率と助成金額
「競争力・ゼロエミッション強化(ゼロエミ要件)」に採択された場合、助成金上限額1億円で、助成率は4分の3以内もしくは3分の2以内となります。これは事業区分の中で、最も好条件です

 (2) 申請の手間が少ない
 ゼロエミ要件に申請する際は「ゼロエミッション概要書」が必要です。通常の申請書に2ページ程度の「ゼロエミエミッション概要書」を追加するだけです。

(3) 省エネのハードルは低い
 ゼロエミ要件には、競争力を強化しつつ事業の省エネルギーを実現させる事業計画が求められます。下記の記載例のとおり、省エネの範囲は広いため、該当する事業者は意外と多いはずです。
例:設備導入による工程短縮で、残業や土日出勤を削減し、会社全体の水光熱割合を5%削減する

4.  まとめ

CB研究会では、躍進的助成金の申請書類作成だけでなく、面接対策を含めたトータルサポートを行っております。HPでも躍進的助成金を解説していますので、ぜひご相談ください。

躍進的な事業推進のための設備投資支援事業(東京都)の申請支援

躍進的な事業推進のための設備投資支援事業(東京都助成金)の申請支援

執筆者

コンサルティング・ビジネス研究会       箱山 玲   (中小企業診断士)

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