来年以降の補助金の動向を探る!

11月29日に令和5年度補正予算が国会で可決成立しました。

そこで今回の補正予算から、注目度の高い補助金をご紹介します。

筆者が読み解いた注目のキーワードは「省力化・省エネ」となります。

(参考:令和5年度補正予算の事業概要  PR資料)

https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2023/hosei/pdf/pr.pdf

 

毎年公募されていますが、今回大きく内容が変更される補助金もあります。

また事業再構築補助金に代わる制度も、ご紹介しますので必見です!

来年以降の補助金動向

目次
1.予算の重要性

2.各補助金について

3.まとめ

1.予算の重要性

そもそも補助金を知るために、なぜ国家予算を知る必要があるのでしょうか?

それは、ものづくり補助金などの各種補助金は、あらかじめ決められた予算をもとに、事務局が公募や採択等の運営を実施するからです。

予算内容を確認することで、来年の補助金の概要を知ることができます。

そこで今回は、可決成立したばかりの令和5年度補正予算をもとに、来年以降の補助金の動向をご紹介します。

なお、予算には当初予算と補正予算があります。当初予算は、概算要求を経て、年度開始前に成立する基本的な予算です。

一方で補正予算は、年度途中の環境変化に柔軟に対応するため成立します。

2.各補助金について

来年以降で、注目度が高い補助金を4つご紹介します。

なお詳細は、公募要領が公開され次第、改めて本メルマガでもご案内する予定です。

ものづくり補助金

申請類型 補助上限額(※1) 補助率
省力化 (オーダー

メイド) 枠

750万円〜

8,000万円

中小:2分の1

小規模・再生:3分の2

製品・サービス

高付加価値化枠

(通常型)

750万円〜

1,250万円

中小:2分の1

小規模・再生:3分の2

製品・サービス

高付加価値化枠

(成長分野進出型)

1,000万円〜

2,500万円

3分の2
グローバル枠 3,000万円 中小:2分の1

小規模:3分の2

(※1) 従業員数や「大幅賃上げ特例」によって、補助上限額が変わります。

 

革新的製品・サービスの開発又は生産プロセス等の省力化に必要な、設備投資を支援する補助金です。

前回までは「革新的製品・サービスの開発又は生産プロセス等の“改善”」が補助事業の目的でしたが、省力化へと変わりました。

これにより、審査項目や加点が大きく変更される可能性も考えられます。

 

なお、現時点で判明している変更点は、下記の3つです。

・ 省力化(オーダーメイド)枠」の新設

人手不足の解消に向けた、デジタル技術(AI・ロボット・センサー等)を活用した、専用設備を導入する事業者が対象です

・ 高付加価値化枠の新設

「通常枠」が廃止され、「製品・サービス高付加価値化枠」が新設されました。

・ 大幅賃上げに係る上限額の引き上げ特例の拡充

「省力化 (オーダーメイド) 枠」を利用した場合、最大2,000万円まで補助上限額が引き上がります

 

中小企業省力化投資補助事業

申請類型 補助上限額(※2) 補助率
省力化投資補助枠

(カタログ型)

200万円〜

1,000万円

2分の1

(※2) 従業員数や賃上げ要件の達成によって、補助上限額は変わります。

 

令和5年度補正予算では、中小企業等事業再構築促進事業が再編され、「中小企業省力化投資補助事業」が新設されました。

IoTやロボット等の人手不足解消に効果がある製品を、中小企業などが「カタログ」から選択して、導入することで、

即効性がある省力化投資を促進することが目的です。

なお、12月24日時点で「カタログ」に関する詳細は未公表です。

 

小規模事業者持続化補助金

申請類型 補助上限額(※3) 補助率
通常枠

50万円

 

 

 

3分の2(※4)

賃金引上げ枠  

 

200万円

卒業枠
後継者支援枠
創業枠

(※3) インボイス発行事業者へ変更する小規模事業者は、インボイス特例が利用でき、全ての申請枠で+50万円を増額できます。

(※4) 賃金引上げ枠の場合、赤字事業者は補助率4分の3

 

小規模事業者等の販路開拓への取り組みを支援する補助金です。

2023年と比較しても大きな変更はなく、補助上限200万円の申請枠とインボイス特例は継続されます。

 

省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業

申請類型(※5) 補助上限額(※1) 補助率
工場・事業場型 15億円 中小企業:2分の1

大企業:3分の1

電化・脱炭素燃転型 3億円 2分の1
エネルギー需要

最適化型

1億円 中小企業:2分の1

大企業:3分の1

(※5) 取組内容に応じて、申請類型が変わります。

・工場/事業場型:工場・事業場全体で、機械設計が伴う設備投資

・電化/脱炭素燃転型:化石燃料から電気への転換や、より低炭素な燃料への転換を図る

・エネルギー需要最適化型:効率的で効果的な省エネの取組

 

省エネ化や脱炭素につながる設備投資を支援する補助金です。

工場等において省エネ性能の高い設備・機器への更新を促進することで、温室効果ガスの排出削減と産業競争力強化を支援します。

3.  まとめ

今回は、令和5年度補正予算のなかで、注目度の高い補助金をご紹介しました。

各補助金は申請枠の新設など年を追うごとに複雑化しており、申請可能な補助金の把握が難しくなってきました。

新たな取組みにマッチする補助金がある可能性もありますので、どの補助金が活用できるのか、今から検討を始めてはいかがでしょうか?

どんな補助金が当てはまるのか、困った際には、ぜひCB研にご相談ください。実績豊富な中小企業診断士などがサポートいたします。

執筆者

コンサルティング・ビジネス研究会 小林 和之(中小企業診断士)

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