事業計画書(創業計画書)を作成するために、避けては通れないのが「資金調達」と「収支計画」です。つまり①事業を実現するにはどれだけの資金が必要で、どうやって調達したらよいか?②売上と費用はどう試算したらよいか?の基礎をご紹介します。
目次 |
1.資金計画:プランを実行するのに必要な資金を試算します。
2.資金調達の方法を検討します
3.収支計画 作成のポイントはズバリこれ!
4.まとめ |
1.資金計画:プランを実行するのに必要な資金を試算します
大きく分けると2つの資金が必要です。
1 .開業資金
店舗や設備、さらに広告宣伝等の開業にかかる費用です。
具体的には
●店舗、事務所(賃貸)にかかる費用
(1)地代家賃 (2)敷金・礼金 (3)不動産会社への仲介手数料
●設備、備品にかかる費用
(1)内外装工事費(建物・店舗等の工事費用)
(2)店舗・オフィス備品(PC、コピー機、デスク、店舗備品等)
(3)開業時広告、宣伝等費用 (Web構築、チラシ等)
これらの費用は、リース活用や複数見積もりをすることでコストダウンが可能です。質が高く、かつリーズナブルな調達を目指しましょう。
2 .運転資金
具体的には
●仕入代金、人件費、家賃、水道光熱費等の事業遂行に必要な費用
3ヵ月~半年間の運転資金はあらかじめ確保しておくことが望ましいです。運転資金は少なく見積もりがちですが、楽観論は排除して冷静に計算をしましょう。売上が上がらなくても費用は確実に必要となります。
2.資金調達の方法を検討します
大きく分類すると下記の5つの調達方法があります。自分の事業に合わせてミックスして試算しましょう。
①自己資金
・返す必要がなく、利息も発生しない。
・必要資金の3分の1から半分は自己資金が望ましいです。
②補助金・助成金
・融資とは違って返済をする必要がない
※補助金は「公募方式」が通常で、要件を満たしているからといって必ず全員が受給できるというものではないので、注意が必要です。
③金融機関からの借り入れ
・政府系金融機関(日本政策金融公庫、商工組合中央金庫など) と民間金融機関(都市銀行、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合など)がある
特に創業者向けの融資サービスが豊富に用意されているのが日本政策金融公庫
上手に利用するのが事業立ち上げの成功のポイントです。
④親族・知人からの借り入れ
・親族・知人であっても借入は借入です。しっかり返済の計画をつくりましょう。
⑤出資を受ける
・最近では、ベンチャー企業の将来性に投資する「エンジェル」といわれる投資家も存在します。他人の出資比率が多くなりすぎると経営トップとしての判断権を失うので注意が必要です。
資金計画立案例
3.収支計画作成のポイントはズバリこれ!
■売上の立て方
◇「数量×単価」 が基本です。
・客単価×席数×回転数:飲食業、美容業など
・設備の生産能力×設備数:印刷業、運送業など
■費用の立て方
◇(変動費)と(固定費)=売上の増減にあわせて変動費用OR固定費用として想定します
変動費の例 原材料費・仕入商品費・外注費等、販売手数料等
固定費の例 家賃、人件費、消耗品費、広告宣伝費等
特に下記3つは要注意です。
①創業当時は赤字になることを覚悟する
当初から、利益が十分に出るということは難しく、軌道に乗るまでは、赤字になるケースが多い。したがって、運転資金として、創業時の資金調達計画に組み込んでおく必要があります。
②売上目標は厳しく算定する
創業当初は十分な売上高を確保することは難しい、特に初年度については、月別に細かく設定し、進捗を管理して、進めていくことが重要です。
③借入金の返済を計画する
利益から、借入金の返済をしていかなければならない。よって、計画に合わせて利益目標を設定しておく必要があります。
借入金の返済原資については、下記の計算式が一般的です。
【返済原資≒減価償却費+当期純利益】
まとめ
いかがでしょうか、事業計画書を作成するにあたって重要なポイントである、『資金計画』、ならびに『収支計画』についてご理解を頂けたでしょうか。
特に小売業は店舗を構える場合が多いですので、しっかりとした資金計画・収支計画を立てないと、あっという間に経営が立ち行かなくなります。着実な計画を立案しましょう!
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