補助金を申請するなら見逃すな! 先端設備等導入計画の隠れた魅力

 企業の競争力強化のためには、最新の技術や設備の導入は欠かせません。政府も競争力強化に積極的に取り組む企業に対して様々な支援策を用意しており、先端設備等導入計画もその一つです。固定資産税の軽減などの直接的なメリットだけではなく、ものづくり補助金等の加点といった隠れた魅力のある先端設備等導入計画について見てみましょう。

補助金申請に有利!先端設備等導入計画の隠れた魅力

目次
1.先端設備等導入計画とは

2.先端設備等導入計画申請のポイント

3.先端設備等導入計画の隠れた魅力

4.まとめ

1.先端設備等導入計画とは ~ 制度の概要と注意点 ~

<制度の概要>

先端設備等導入計画は、2018年6月に施行された生産性向上特別措置法に基づいて定められた制度です。国が策定した「導入促進指針」に基づき、各市区町村が「導入促進基本計画」を定め(*1)、中小企業が「先端設備等導入計画」を策定するスキームになっています。

先端設備等導入計画が認定されると、以下のようなメリットがあります。

  • 先端設備等導入計画の認定後(*2)に導入した設備の固定資産税が、3年間ゼロ~1/2の間(市区町村が定める割合)に軽減(*3)
  • 計画に基づく事業に必要な資金繰りの支援(信用保証)
  • 補助金の優遇措置(後述)

<主な注意点>

*1 先端設備等を導入する事業所(本社ではない)の所在地の自治体が導入促進基本計画を策定していることが必要です。
*2 先端設備導入等導入計画の認定後に先端設備等を発注することが必須です。
*3 税制支援の対象となる事業者は、認定が受けられる企業と規模要件が異なります(税制支援は資本金額1億円以下の法人、従業員数1,000人以下の個人事業主)。

 

先端設備等導入計画のスキームと認定フロー

 

先端設備等導入計画の認定を受けられる中小企業者の規模

2.先端設備等導入計画申請のポイント ~ 固定資産税の特例の条件に注意 ~

<先端設備導入計画の内容>
先端設備等導入計画は、以下の条件で認定されると規定されています。

中小企業者が、①計画期間内に、②労働生産性を一定程度向上させるため、③先端設備等を導入する計画を策定し、④ 所在する市区町村における「導入促進基本計画」等に合致する場合

先端設備等導入計画の主な要件は以下の通りです(*1)。

① 計画期間

計画認定から3~5年の間で、計画達成に必要な期間を申請時に設定します。

② 労働生産性を一定程度向上

計画期間において、基準年度(直近の事業年度末)で労働生産性が年平均3%以上向上すること。労働生産性は、以下の算定式で計算します。

③ 対象となる先端設備等(*2)

労働生産性の向上に必要な生産、販売活動等の用に直接供される以下の設備。
機械装置、測定工具又は検査工具、器具備品、建物付属設備、ソフトウエア

④ 計画内容

・導入促進指針及び導入促進基本計画に適合するものであること
・先端設備等の導入が円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること
・認定経営革新等支援機関において事前確認を行った計画であること

 

<主な注意点>

*1 要件は市区町村ごとに異なる場合があるので、必ず設備を導入する事業所の所在地の市区町村の導入促進基本計画を確認します。

*2 固定資産税の軽減措置の対象となる設備は以下の通りです。
一定期間内に販売開始され、旧モデルと比して年平均1%以上生産性が向上する設備で、メーカー等を通じて工業会の証明書が取得できること(*3)。

先端設備等導入計画 減価償却優遇の対象資産

※1 一部の地域で対象業種に限定があります
※2 償却資産として課税されるものに限ります。
※3 ソフトウエアは無形固定資産で、償却資産税の課税対象ではないので除外されます。

 

*3 工業会等の証明書が先端設備等導入計画の申請に間に合わない場合は、固定資産税の賦課期日(1月1日)までに工業会証明書と誓約書を追加提出することで特例を受けられます。また、固定資産税の特例措置を受けずに補助金の優遇措置だけを受ける場合(ソフトウエアを導入する場合を含む)は、工業会証明書と誓約書は不要です。

 

先端設備等導入計画 固定資産税減免のスキームとフロー

 

3.先端設備等導入計画の隠れた魅力 ~ ものづくり補助金等の優遇措置 ~

<補助金申請する人は必見の優遇措置>

先端設備等導入計画の最大の魅力は、ものづくり補助金をはじめとする各種補助金での優遇措置です。一般的に、補助金は予め決められた審査項目を元に合否の判断が下されますが、先端設備等導入計画を申請し、認定を受けることで、加点項目として審査の際に有利になる補助金があります。また、支出した経費に対する補助金の支給割合である補助率がアップする補助金もあり、ダブルでお得な制度なのです。
2018年度に発表された補助金のうち、以下のような補助金で先端設備導入計画の優遇措置が設けられています。

先端設備等導入計画の認定により補助金採択に有利(加点対象)

<主な注意点>

*1. 優遇措置を受ける場合、補助金の交付決定までに先端設備等導入計画の認定を受けていることが必要な場合が多く、先端設備導入計画の認定の遅れにより事業期間が短くなることがあるので、特に導入予定設備の納期が長いケースなどではスケジュールに十分な注意が必要です。
*2. 万が一先端設備等導入計画の認定が受けられなかった場合、補助金の審査に通っても採択が取り消される場合があります。

 

まとめ

先端設備等導入計画のメリットは、固定資産税の軽減や金融支援のほかに、補助金申請時の優遇措置が非常に魅力的です。経営力強化や生産性向上を目指して新たに設備やソフトウエアなどの導入を検討されている方は、設備を導入する事業所所在地の市区町村のホームページを確認してみてください。

執筆者

木佐谷 康(中小企業診断士・行政書士・ITコーディネータ)

 

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