中小企業向けの補助金は、多数公募されており、経営者の関心も非常に高くなっています。中小企業の資金調達の要は、やはり「融資」です。しかし、返済不要の補助金の活用は経営者にとって設備投資への資金負担やリスクが確実に軽減するでしょう。
補助金の数はご存知でしょうか?毎年その数はなんと4000種類と言われています。こんなに多いと情報収集するだけでも大変ですね。今回はその中でも毎年の予算規模が1,000億と非常に大きく、最も人気のある「ものづくり補助金」についてご紹介致します。
目次 |
1.中小企業の設備投資額の推移
2.ものづくり補助金とは? 3.ものづくり補助金 採択率の推移 4.まとめ |
中小企業の設備投資額は製造業で約428万円、非製造業で約230万円とリーマンショック前の設備投資額までには回復していませんが、設備投資額は上昇傾向となっています。
「ものづくり補助金」と聞くと、どうしても製造業をイメージします。
自社は製造業でないので関係ないと決めつけてしまうと、せっかくのチャンスを逃してしまいます。ものづくり補助金の正式名は「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」といって製造業以外でも十分活用できる補助金です。「革新的サービス」とあり、小売業、流通業、サービス業でも採択例はあります。検討余地は十分にあります。
具体例として、福島県のインテリア販売業の会社では、受託した業務と、それを請け負いたい職人とをWebによってマッチングするシステムが採択されました。また、山形の食事宅配業者では、噛むことや飲み込むことが困難な高齢者用に向け、ソフト介護職の量産開発に対して採択された事例もあります。このようにぜひとも製造業以外でもチャレンジする価値はありますね。
採択率は毎年1,000億円程度で推移していますが、平成28年のように予算規模が縮小するケースもあります。採択件数は平成27~28年は大幅に減少しています。平成29年度は1000億円の予算なので、平成28年と比較すると大幅に増加してます。
また、平成28年度より経営革新計画の承認、認定企業に対して、審査時の加点が実施されました。経営革新計画の承認にはある程度の時間がかかるため、補助金の募集が始まる前に経営革新計画を申請されると良いですね。
ものづくり補助金の採択の可否は、
申請時に提出する「事業計画書」に対する判定で決まり、補助金額は事業終了後の「確定検査」の結果によって判断されます。
いかがでしたでしょうか? 採択率が厳しいなと思われましたか?ものづくり補助金の趣旨を理解して、キチンとした事業計画を作れば、採択される確率も非常に高くなると思います。はじめての方は中小企業診断士等の専門家を活用することも考えてみてはいかがでしょうか?
徳山 至宏(中小企業診断士)