持続化補助金記入例の書き方を分析して採択率をアップさせよう!

販路開拓に繋がる幅広い投資に小規模事業者持続化補助金が活用できます。採択率を上げるためには申請書の仕組みを知り、事業計画をしっかり考えてるなど品質が求められます。今回は高い採択率を誇る当会が記入例を分析しながら、事業計画書に記入が必要な点と採択率アップに繋がる申請書の書き方を伝えます。

小規模事業者持続化補助金の書き方

目次
1.様式2と様式3の関係を理解して採択率アップ!

2.様式2「経営計画書」に記入する「経営計画」とは

3.様式3「補助事業計画書」に記入する「補助事業」とは

4.まとめ

1.様式2と様式3の関係を理解して採択率アップ!

小規模事業者持続化補助金を申請する際、作成するものは、

①これから先どのような「計画」で自社の売上を達成させていくのかについて考えた「経営計画」
②その「経営計画」を実行するために必要な「投資計画」

になります。このふたつは記入するフォーマット(様式)が決まっており、小規模事業者持続化補助金に申請する場合には、様式2「経営計画書」と様式3「補助事業計画書」と呼ばれるものになります。

その他の様式としては、
だれが申請するのかを分かるようにする様式1、実際に採択されたときの計画実行に関する様式5、商工会、商工会議所が記入する様式4がありますが、ここでは説明を割愛させていただきます。

提出にあたり重要なことは様式2と様式3の関係性です。自社の事業計画を達成するために必要な投資計画となっている1本筋が通った関係性が求められます。

各様式の記載内容を記入例を確認しながら、何を記入する必要があるのか確認していきたいと思います。

2.様式2に記載が求められているポイント

様式2「事業計画」には、
1企業概要、2顧客ニーズと市場の状況、3自社や自社の提供する商品・サービスの強み、4経営方針・目標と今後のプラン、を記入するよう求められています。
1~3の項目を分析したうえで4の今後のプランを作成する構成と考えてください。各項目ごとに何を分析しているのか記入例の記載内容を踏まえ確認していきます。

1. 企業概要
記入例では、実際に店舗の環境として、設置環境や店舗収容人数、営業日時と営業時間、従業員などが書かれています。現在の企業概要として、何をしている企業なのか店舗規模がどのようなのかの記載を求められています。
重要になるのが売上状況についての記載です。自社が何を取り扱っていて、どの売上規模なのか、利益率は各項目でどのようになっているのかを分析する必要があります。記入例では「売上総額」と「利益総額」の2つの切り口で分析しています。現状取扱う商品の売上状況と、この後分析していく顧客ニーズや自社の強みを踏まえたうえでどの分野を伸ばしていくのか、又は全く新たなことを初めて売上増加を狙うのかを考えて今後のプランを考えていくことになります。ただ単に売上や利益について記入するのでなく売上分析を求められています。

2.顧客ニーズと市場の状況
顧客ニーズと市場の分析、と書かれているのでその2つを記載する必要があります。記入例では競合店舗の情報やランチ時間帯での行列、常連客の減少や少子高齢化が「市場分析」、宴会でのアルコール要望や夕食での注文内容が「顧客ニーズ」にあたります。
顧客ニーズは実際のお客様の声、市場の動向は、ミクロ的な近隣地域の市場動向と、自社が所属するマクロ的な市場動向と分けて考えてもよいです。地図を張り付けて近隣競合店の状況を入れるのも市場の分析に役立ちます。

3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み
記入例には「自社やの商品・サービスが他に比べて優れいると思わ点、顧客評価されている点をお書きください」とありますが、お客様から喜ばれている点を中心に考えると記載しやすくなります。他社より優れていると「自分が」思っていることが本当の強みではないことも多々あります。自分視点ではなくお客様視点で通ってくれている理由を考えるほうが強味であるケースが多いです。記入例では魚の鮮度が「お客様」から評価を得ている、「外部の」編集者から評価を得て「名店100選」として取り上げられ、価格は協業店の2倍以上でも通っていただけている、とあります。

4.経営方針・目標と今後のプラン
ここでは、1~3で分析した内容を踏まえて「経営方針」「目標」と目標を実現する「今後のプラン」の策定が求められています。経営方針があれば記載してください。目標と今後のプランで重要となるのは「自社で実際に実施できる」目標、計画であることです。

記入例では最初の3行目までに「値下げ圧力に負けない経営」を行う目標と「当店の魚料理のおいしさを一人でも多くの人に伝えたい」理念が書かれており、その目標、理念を実現する今後のプランとして「ランチ単価の引き上げ」、「デリバリーの開始」を計画しています。その計画は1~3で分析した、少子高齢化や魚の鮮度へのお客様からの評価を踏まえたうえで何時、何を、どれだけやるのか、具体的に計画されているわけです。

記入例ではデリバリーの売上目標等が様式3に書かれていますが、数値目標として今後3カ年の売上等の事業計画を作成し記載することをお勧めします

3.様式3に記載が求められているポイント

様式2「事業計画」の今後のプランを実現するために、何に投資を行うのかを記入したものが様式3「補助事業計画」で記載が求められる投資計画です。

投資計画ですから投資回収までの記載も求められています。こちらも記入例を分析しながら求められている内容を検討します。様式3は1事業名、2販路開拓等の取組内容、3業務効率化の取組内容(任意)、4補助事業の効果の項目があり、3以外の部分は必須項目になっています。

1.補助事業で行う事業名
「〇〇(企業理念等)を目指すための販路開拓事業」という内容より実際に何を行うのかわかるようにしたほうが良いです。記入例でも「鱈バーガー」「鱈チップス」の開発と具体的に取り組む内容が書かれています。

2.販路開拓等の取組内容
何を行うのか明確にする必要があります。具体的に数値目標も踏まえて計画する必要があります。記入例では「20分経っても」味の落ちない商品開発を行い、競合より高い単価設定だが地域マッチングフェアやポスティングを通じてPRを行い、具体的に1日平均6個の販売を目標としています。チップスでも80gで200円、1日5個と数値目標が明確になっています。

3.補助事業の効果
業務効率化については任意項目なのでここでの説明は割愛します。
補助事業の効果について記入を求められているので、「どんないいことが」起こるのか記入していきますが、重要なのは自社にとってだけでなく、お客様、地域への効果も記入することです。記入例を見ると、補助事業を通じてデリバリーの目玉ができ口コミ効果が期待できる、そのことにより売上10万増加を期待しています。そのほかに「地域の方々の集いの場」を維持する効果と、地域への波及効果についても記入があります。記入例にはないですがお客様への効果、記入例で考えれば高齢者の内食へのデリバリーの効果について、の記載もお勧めします。
また投資回収についても65万の投資を月10万売上増することで2年程度で回収、と記入があります。実際に記入する場合には「どれくらい顧客数が増えるから、いつ投資回収できる」といった内容を、表やグラフを使用して記入したほうががより分かりやすいでしょう。

まとめ

記入例を分析すると、様式2には競合店ができて売上減少しているが、当店が属する地域はランチへの需要と高齢化が進んでおり、当店の提供する魚料理の評価が高いことが分かった。
そのため今後の目標としてランチ単価を100円あげた高品質な商品提供と目玉になるデリバリーを新規に始めることが書かれており、様式3にはその目標を実現するためにデリバリーで提供する商品の開発とPRへの投資と改修計画が書かれていたことがわかると思います。
採択率アップするには同様に書き方をすることが有効なことをお伝えしました。是非参考にして作成に取り組んでみてください。

執筆者

株式会社ワンダーフル 代表取締役 中小企業診断士 小林 徹(こばやし とおる)

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