公募開始!新事業進出・ものづくり商業サービス補助金を解説

約13年にわたり公募された「ものづくり補助金」や昨年度にスタートした「新事業進出補助金」に代わって新たに「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」が新設されました。
今回は、本補助金の概要や注意したい要件とポイント、申請準備などについてご案内します。

東京都「躍進的設備投資補助金」

目次
1.新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは
2.各申請枠の特徴と概要
3.申請時に注意したい要件とポイント
4.経営者が今から進めるべき準備
5.まとめ
1.新事業進出・ものづくり商業サービス補助金とは

本補助金は、従来の「ものづくり」や「新事業進出」がベースとなり新たな制度として設けられました。
中小企業等による新製品・新サービスの開発、新市場への進出、海外市場の開拓に伴う設備投資等に活用できます。

事業目的に応じて3つの申請枠があります。
補助上限額や補助率および対象経費は下表のとおりです。

  革新的新製品

・サービス枠

新事業進出枠 グローバル枠
補助下限額 100万円 750万円 750万円
補助上限額 最大2,500万円 最大7,000万円 最大7,000万円
補助率 2分の1 2分の1 3分の2
対象経費 ・機械装置

・システム 他

・機械装置

・システム

・建物 他

・機械装置

・システム

・建物 他

※補助上限額は従業員数により異なります。
※補助上限額は、賃上げ特例の要件を満たした場合、更に引き上げられます

2.各申請枠の特徴と概要

(1)革新的新製品・サービス枠
革新的な新製品や新サービスの開発を支援する枠です。
3つの申請枠の中では、ものづくり補助金に最も近い内容となっています。
自社の技術力等を活用し、顧客に新たな価値を提供する製品・サービスの開発が求められます。
そのため、既存の生産工程を改善するだけの取組みや、単なる設備・システム導入は対象外となります。

(2)新事業進出枠
既存事業とは異なる、新たな市場や高付加価値事業への進出を支援する枠です。
新事業進出補助金に近く、「新たな製品・サービス」と「新たな市場」についての要件が明確に決められています。
そのため、既存事業との違いや、ターゲット市場を明確にする必要があります。

(3)グローバル枠
海外市場の開拓に向けて、国内の輸出体制を強化する取組みを支援する枠です。
ものづくり補助金に設けられていた、グローバル枠に近い内容となっています。
新たな国や地域への販路開拓に加え、輸出に必要な設備投資や現地調査等の為の渡航費も支援対象となります。
また、建物費も補助対象になるため、輸出体制の強化に必要な拠点整備を伴う事業にも活用できます。
対象国の市場性や、事業計画の実現可能性を具体的に示すことが重要です。

3. 申請時に注意したい要件とポイント

本補助事業の終了後3年から5年の計画期間において、付加価値向上と賃上げの要件をともに満たす必要があります。
特に注意が必要なのは、次の2つの賃上げ要件です。
1人当たり給与支給総額の年平均成長率を3.5%以上増加
事業場内最低賃金を、地域別最低賃金より30円以上高く設定

これらの要件を達成できなかった場合、補助金の一部または全額の返還を求められる可能性があります。
そのために実現可能性の低い賃上げ計画を作成しないようご注意ください。

将来の売上高や利益、人員計画を検討したうえで、継続して達成できる賃金水準を作成することが重要です。

尚、付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)についても、年平均成長率4.0%以上の増加が求められます。
賃上げの原資を確保できるよう、生産性向上と収益改善を連動させた事業計画を作成することが肝です。

4.経営者が今から進めるべき準備

まずは、自社の取組みが各申請枠の要件に該当するかを確認しましょう。
・革新的新製品・サービス枠では、開発する製品等の新規性と、顧客に提供する新たな価値を明確にします。
・新事業進出枠では、既存事業と新事業の違いに加え、新たな顧客層や市場を明確にします。
・グローバル枠では、対象国の市場規模、法規制、販売体制等を事前に確認します。

すべての枠に共通して、以下の準備を進めることをお勧めします。
・既存事業と新たな取組みの棚卸し
・市場規模や顧客ニーズの調査
・設備や建物等の見積り取得
・収支計画と賃上げ計画の作成
・補助金入金までの資金繰りを検討

5.まとめ

新事業進出・ものづくり商業サービス補助金には3つの申請枠があることをお伝えしました。
各枠では、対象事業・補助率・補助対象経費が異なるため、要件への該当も含めしっかりと検討する必要があります。

また、補助対象にする設備等のほか、事業の新規性・市場性・収益性・賃上げの実現可能性も確認する必要があります。
公募要領の最新情報を確認し、余裕を持って準備しましょう。

執筆者

コンサルティング・ビジネス研究会       小林 和之  (中小企業診断士)

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