販路開拓の重要さと有効な支援施策の活用について

中小企業において販路の開拓は、事業の維持、拡大にとって大変重要な課題です。ただ、その趣旨や方法について理解が充分でなく、どうしたらいいのか迷われている経営者の方も多いのではないかと思います。そこで今回は販路開拓の意義と、それを実現するために活用できる施策について紹介していきたいと思います。

販路開拓の重要さと有効な支援施策の活用

目次
1.販路開拓の意義

2.補助金の活用

3.補助金以外の支援施策

4.まとめ

1.販路開拓の意義

◆販路開拓の重要性

中小企業や小規模企業にとって新しい販路を開拓することは事業を継続、拡大するためには必須の戦略となります。

現在の取引先との取引がうまくいっていたとしても、それが未来永劫続くとは限りません。相手の事情や社会、業界の変化で取引が急に減ってしまう可能性があり、多くの販売先を確保しておくことはそうしたリスクの回避に繋がります。

また、事業を継続、拡大するためには、自社の技術や資金などの経営資産を使って、既存の商品やサービスを改善したり、新しい商品やサービスを開発したりすることが必要です。そのためには、新しい販売先を確保したり、多くの取引先との取引を通じて、市場のニーズを把握しそれを商品開発に活かしたり、サービスや生産体制を増強、改善したりすることで、事業のポテンシャルを底上げすることがポイントになります。

このように新しい得意先や販売チャネルを確保する活動は、企業にとっては必要不可欠な活動なのです。

 

◆販路開拓の方法

販路を拡大するためには、プッシュ型の戦略とプル型の戦略という大きく2つのやり方があります。プッシュ型とは営業や売り込みをかけ、取り扱う流通や店舗、扱う商品などを拡大させていく方法です。プル型とはホームページや広告、展示会などを活用して、自社の商品、サービスの認知を拡大して、問合せや注文の獲得、集客を拡大させていく方法です。

前者ではそれを推進していく人的資源の確保や推進する組織や手法の開発が主な課題となります。一方、後者ではホームページや広告など、実施する手法の選択とそれらの作り込み、ターゲットの設定、展開方法が主な課題となります。いずれの方法を実施するにしても、それなりの資金を確保して投入することが必要になります。

2.補助金の活用

◆小規模事業者持続化補助金

中小、小規模企業においては、販路開拓のために投資を行うことが難しい企業もありますが、そんな企業にとって有効な方法として、補助金・助成金の活用があります。代表的なものとしては、「小規模事業者持続化補助金」があります。

これは小規模企業を対象に,補助率が2/3で、最大50万円まで(賃上げや海外展開、買い物弱者対策の場合は100万円まで)の補助金で、その使途は販路開拓や生産性向上のために用いられる施策の費用となります。販路開拓のの事例としては、ホームページやチラシなどの作成・改善や展示会の出展、看板の作成など、主にプル型の手法に活用できます。また、サービス業では設備の改装や修繕にも活用できます。申請は商工会や商工会議所が窓口になっており、将来を見据えた経営計画を作成することが条件となっています。

 

◆その他の補助金・助成金

販路開拓に活用できるそれ以外の補助金としては、地域資源を活用してする場合、農商工の連携や地域産品の海外進出において、連携した中小企業が対象となる「ふるさと名物応援事業」や「ジャパンブランド育成支援事業」などがあります。

また、プッシュ型の販路開拓で、営業人員の採用や研修などを行う場合、厚生労働省のキャリア系の助成金(人材開発支援助成金)を活用することも考えられます。いずれの場合も条件が細かく設定されているので、自社の状況に合わせて、利用可能な補助金・助成金を見つけ、うまく活用していくことが重要です。

3.補助金以外の支援施策

◆マッチング施策の活用

プッシュ型の販路開拓において、もっとも悩ましいのが、営業先やターゲットとなる企業をどうやって探すかという問題です。ネットワークを広げることが、一番の方法ですが、そのために活用できる施策としてマッチングの制度やイベントがあります。多くの自治体や中小企業支援機関では、中小企業の取引の振興、拡大のためのマッチング支援を行っています。専用サイトや商談会などで広く、受発注企業を探す試みです。有名な制度としては中小機構のジェグテックという企業交流サイトがあり、専門化によるマッチング支援の活動を行っています。

また、各自治体が行う商談会やリンカーズのような民間のマッチングサービスでも、受発注先を探している企業の情報を収集することができます。こうしたイベントは相手先を見つけるだけでなく、他業種の幅広い会社や経営者とのネットワークを広げる機会としても活用することができます。

 

◆効果的な販路開拓に向けて

販路を開拓する活動にあっては、自社の強みや商品の特徴をわかりやすくアピールすることが成功の鍵となります。そのためには日ごろから、自社の商品やサービスについて、そのコンセプトや優位性などを、客観的な視点から整理し、ブラッシュアップしておくことが大事です。また、小規模事業者持続化補助金などを活用して、ホームページや会社案内、商品パンフレットなどを作成、ブラッシュアップして、戦略的にアピールできるような準備をしておくことも大切でしょう。

まとめ

販路開拓は企業の存族にとっての生命線です。中小企業の場合、そのために人材や資金を投下できない企業も多いのが実情だと思いますが、そこを知恵や工夫で対応することがポイントです。

補助金・助成金や各種マッチングイベントなど、支援機関や自治体が提供する支援策の情報に目を向けて、それらを上手く活用することで、新たな取引先や販売チャネルを拡大し、集客を増すことで、事業の安定化と発展を目指してください。

執筆者

コンサルティングオフィスG 代表 郷倉 正人(中小企業診断士)

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