今年のIT導入補助金は、昨年よりもホームページ制作業者が活用しやすくなっています。
「IT補助金は自分には関係ないと思っていた」
「活用したいがどうしたらいいかわからない」
そんな方向けの記事です。
目次 |
1.IT導入補助金の概要
2.ホームページ制作に関する今年のIT導入補助金の変更点 3.IT導入補助金を活用するための3ステップ 4.まとめ |
IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者等が自社の課題をITツールによって解決しようとする試みに対して、経費の一部の補助を受けることができる制度です。
人手不足が進行していく中で、ITを活用した生産性向上によって、業務の効率化や売上アップを実現してもらうことを目的としています。
本年(平成30年)実施されるIT導入補助金の補助率は1/2で、補助金の上限額は50万円(下限15万円)となっています。
つまり、30万円以上のITツールやクラウドサービスの導入によって、その半分の15万円~50万円の補助を受けることができる制度といえます。
(平成29年度補正 サービス等生産性向上IT導入支援事業 交付申請の手引きより)
主な対象となっているのは
①ソフトウェア(MS-Office/Photoshopなどの汎用的なソフトや、特定の会社向けに開発したものは対象外)
②クラウドサービス(導入1年以内の費用が対象)
③ホームページ制作(新規開設、全面リニューアルは対象だが、一部改修等は対象外)
及びそれぞれを導入するために必要な初期設定や研修費用になります。
昨年IT導入補助金が登場した際には「業務向けITツールの導入による生産性向上」の色が濃く、下記フロント・ミドル・バックオフィス業務のうち、原則2つ以上を組み合わせて申請する必要がありました。
(平成28年度IT ツール(ソフトウェア、サービス等)登録要領より)
一般的なホームページだと、上記表のフロント業務の機能しか満たすことができないため、ITツールとして登録する際に
・予約機能、顧客管理機能等のミドル業務がついたホームページとして登録したり
・ミドル業務やバックオフィス業務を持つ別のソフトウェアとセットにして登録する
といった工夫が必要でした。当然ミドル業務がついていないホームページ単体では補助金の活用はできません。
しかし、今年からは従来の「オンプレミス」「クラウドサービス」と別に「ホームページ制作」という区分が新設されており、ホームページ制作についてはミドル業務やバックオフィス業務と組み合わせる必要がなくなりました。つまり、昨年よりもホームページ制作に活用できる環境が整備されたといえます。
「最大50万円の補助を活用して、ホームページ作成をしてみませんか?」
といったアプローチを見込み顧客に対して行っていくことができるようになります。
それでも、ホームページ制作事業者のIT導入支援事業者への登録はまだ多いとはいえません。
本日(平成30年7月17日)時点で、IT導入補助金のツール検索の画面で「ホームページ制作」で全国を対象に登録ツールを検索したところ、
1,657件しか登録はされていませんでした。
つまり、まだIT導入補助金を活用しているホームページ制作業者はそこまで多くないといえます。
平成30年6月に閣議決定した「未来投資戦略2018」でも、今後のIT導入補助金の活用について触れられていることから、平成30年だけでなく、31年度以降も継続すると考えてよさそうです。
本年の二次公募、三次公募、さらには来年以降に向けて、ぜひIT導入補助金の活用をご検討されてはいかがでしょうか?
安田 史朗(中小企業診断士)
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