新規事業への挑戦を後押しする新たな補助金です!

「事業再構築補助金」の後継となる「中小企業新事業進出補助金」(以下、「新事業進出補助金」)のご案内です。
新市場・高付加価値事業への進出にかかる設備投資等を支援するもので、補助額が750万円〜9,000万円という大型の補助金です。
公募要領が公開されましたので、
申請者や事業内容の「要件」を中心にご案内します。

新規事業

目次
1.「新事業進出補助金」の目的

2.「新事業進出補助金」の概要

3.「新事業進出補助金」の対象者

4.「新事業進出補助金」の要件

5.「賃上げ特例」を利用する場合

6.まとめ

1.「新事業進出補助金」の目的

既存事業と異なる「新市場の開拓」「事業の付加価値向上」への前向きな挑戦を後押しし、「企業規模の拡大・付加価値向上」を通じた「生産性向上」を図り、「賃上げ」につなげていくことを目的とします。

2.「新事業進出補助金」の概要

公募要領で明らかになったことを含め、まとめます。

補助金額

※1

従業員数1〜20人:750万円〜2,500万円(3,000万円)

従業員数21~50人:750万円〜4,000万円(5,000万円)

従業員数51~100人:750万円〜5,500万円(7,000万円)

従業員数101人以上:750万円〜7,000万円(9,000万円)

補助率 2分の1
補助対象

経費

機械装置・システム構築費、建物費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、広告宣伝・販売促進費
公募期間 第1回は2025年7月10日(木)締切

※第2回以降も実施予定

※1 補助金額のカッコ内は、賃上げ特例の適用で引上げとなる場合です。 後述の「5.『賃上げ特例』の要件」を参照ください。 また、従業員数が0人の場合は申請できません。

3. 「新事業進出補助金」の対象者

一部の業種では、中小企業庁が定義する「中小企業」よりも広く対象となっています。

業種 資本金 ※2 常勤従業員数 ※3
製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業、情報処理サービス業、その他下記以外 3億円以下 300人以下
サービス業

(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)

5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
小売業 5,000万円以下 50人以下
旅館業 5,000万円以下 200人以下
ゴム製品製造業

(〈自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業〉並びに〈工業用ベルト製造業〉を除く)

3億円以下 900人以下

※2・3 資本金と常勤従業員数の〈いずれか〉が上記を満たしていれば、対象となります。

※3 常勤従業員数は、労基法第20条の「解雇の予告を必要とする者」の数です。日々雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めて使用される者、季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者、使用期間中の者は含みません。

 

4.  「新事業進出補助金」の要件

次に示す6つの要件を〈すべて〉満たす3〜5年の事業計画に取り組むことが求められます。

(1) 新事業進出要件

(2) 付加価値額要件

(3) 賃上げ要件

(4) 事業場内最低賃金要件 【未達成時に返還あり】

(5) ワークライフバランス要件

(6) 金融機関要件 ※金融機関から融資を受ける場合

この6つの要件について、詳細をご説明します。

 

(1) 新事業進出要件

「新事業進出」とは、次の3要件を〈すべて〉満たし、2025年4月22日以降に初めて取り組む事業への進出です。

製品等の新規性 申請事業者にとって新規の製品やサービスであること。
市場の新規性 申請事業者にとって既存事業では対象となっていなかったニーズや属性(法人/個人、業種、行動特性等)を持つ顧客層を対象とする市場であること。
新事業売上高 事業計画の最終年度において次の〈いずれか〉を満たす計画であること。

・売上高が応募申請時の総売上高の10%以上

・付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)が

応募申請時の付加価値額の15%以上

すなわち新事業進出要件は、「新製品・サービスを新規市場に投入し、3〜5年で一定の規模に成長させる事業」であると言えます。

(2) 付加価値額要件
補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、付加価値額の年平均成長率(※4 CAGR)が4.0%以上増加する計画であることが求められます。
なお、付加価値額に代えて〈従業員一人当たり付加価値額〉で要件を満たすことも可能です。
※4 CAGRは複利計算で求める点にも注意が必要です。例えば3年計画の場合、基準年度から「12.0%以上」ではなく「約12.5%以上」です。


(3) 賃上げ要件
補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、いずれかの水準以上の賃上げを行うことが求められます。

①〈一人当たり給与支給総額〉の年平均成長率を、事業実施場所の都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率(※5)以上増加させること。
※5 都道府県別の最低賃金の直近5年間の年平均成長率は、2.8%(東京・神奈川)〜4.3%(徳島)です。

②〈給与支給総額〉の年平均成長率を2.5%以上増加させること。
なお、事業再構築補助金と異なり、給与支給総額には役員報酬、福利厚生費、法定福利費、退職金を含みません。

(4) 事業場内最低賃金要件 【未達成時に返還あり】
補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、事業所内の最低賃金が地域別最低賃金より毎年、30円以上高い水準であることが求められます。
【未達成時の返還要件】付加価値額が増加した場合や企業全体として営業黒字である場合は、天災など事業者の責めに負わない理由がない限り、規程の算定により補助金の返還義務が生じます。

(5) ワークライフバランス要件

次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、「両立支援のひろば」にて公表することが求められます。届出から掲載までに1〜2週間を要するため、早めに準備しておく必要があります。

(6) 金融機関要件 ※融資を受ける場合
補助事業の実施にあたって金融機関から借入などを受ける場合は、借入先の金融機関等から事業計画の確認を受けていることが求められます。

5.  「賃上げ特例」を利用する場合

補助事業実施期間内(※6)に次の要件を両方満たすことが求められます。
①給与支給総額を年平均6.0%以上増加させること。
②事業場内最低賃金を年額50円以上引き上げること。
※6 上記4(3)の「賃上げ要件」は「補助事業終了後3〜5年」に行う賃上げですが、「賃上げ〈特例〉要件」は「補助事業実施期間内」に行う賃上げであることに注意してください。

【未達成時の返還要件】実績報告後の初回の事業化状況報告時に、いずれか一方でも要件の達成を確認できなかった場合、補助金交付額のうち補助上限額引上げ分全額の返還義務が生じます。

6.  まとめ

要件が多岐に渡るため、十分な確認が必要です。
特に4.の要件のうち(1)〜(4)はしっかりとチェックし、策定する事業計画が要件を確実に満たすようにしましょう。
コンサルティング・ビジネス研究会では、貴社の事業構想におけるアドバイスや、補助金の要件との合致などをお手伝いいたします。
お気軽にご相談ください。

 

参考情報など

◆中小企業新事業進出補助金 ポータルサイト

https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/

◆新事業進出指針

https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/docs/shinjigyou_shishin.pdf

◆新事業進出指針の手引き

https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/docs/shinjigyou_shishin_tebiki.pdf

◆両立支援のひろば(厚生労働省)

https://ryouritsu.mhlw.go.jp/

◆コンサルティング・ビジネス研究会 新事業進出補助金ご支援案内

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2025-03-01 13:31

 

執筆者

コンサルティング・ビジネス研究会  加藤 弘之樹(中小企業診断士)

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