クラウドファンディングで起業 成功のコツ

 

クラウドファンディングは、インターネット上を通じ不特定多数の人々(群衆=crowd)から資金調達(funding)を行う手法です。実現したいプロジェクトを提唱し、それに対する出資を呼びかけます。
創業・起業に活用することも可能ですが、成功にはコツが必要です。

クラウドファンディングで起業

目次
1.クラウドファンディングの仕組み

2.クラウドファンディングのメリット・デメリット

3.クラウドファンディング 成功のコツ

4.まとめ

1.クラウドファンディングの仕組み

 クラウドファンディングには「寄付型」「投資型」「購入型」など様々なタイプがありますが、最も多い「購入型」を例にお話します。

 起業者は、クラウンドファンディングの運営サイトに、プロジェクトの概要を掲載。目標金額も提示し、支援を募ります。募集締切日までに投資された金額が目標額に達すれば、プロジェクト「成立」となり資金も手元に入ります。ただし、目標額に届かなければ、プロジェクト「不成立」となり1円も入りません。「オール・オア・ナッシング」です。

 また、投資された金額のおおむね2割が、クラウンドファンディング運営サイトへの使用手数料として天引きされます。実際には、額面の8割が「手取り」となります。
投資者への返礼品も必要です。投資額の2割が相場ですが、これは起業者側の負担ですので、先の「手取り」から返礼品分が「経費」として差し引かれます。
起業者が自由に使える資金は、投資額の半分程度と見積もった方が良さそうです。
プロジェクトの目標金額設定にあたっては、これらの費用負担も織り込むことをおすすめします。

 なお、東京都では、創業予定者又は創業5年未満の事業者を対象に、クラウドファンディングによる資金調達の取組を支援しております。所定の条件を満たせば、クラウンドファンディング運営事業者への使用手数料の1/2(上限30万円)が補助されます。仮に、200万出資を集めたとれば、本来40万を使用手数料として払うべきところ、うち20万の補助が都から出ます。その分「天引き」額も軽減されます。是非活用をご検討下さい。

参考:http://crowdfunding-tokyo.com 

2.クラウドファンディングのメリット・デメリット

 クラウドファンディング(購入型)のメリットは、資金調達に際し、経営の自由度が維持できるという点です。

 一般的な「出資」なら、出資者が株主となります。出資者(株主)の意向が経営に反映され、経営の自由度はその分下がります。しかし、クラウドファンディング(購入型)の「出資」は、経営上「売上」としての勘定となります。出資者への返礼品負担(これは売上経費になります)こそありますが、経営の自由度は維持されます。

 また、同じ資金調達でも、融資は返済が必要で、その分経営の足かせとなります。クラウドファンディングに比べ、経営の自由度は下がります。

 この他、新製品・新事業に対する話題集め・PRとしての効果や、テストマーケティングとしての活用も可能な点などが、メリットとして期待できるでしょう。

 その一方で、プロジェクト成立後の情報公開に手間のかかる点や、アイディアが模倣されるリスクが、デメリットとなります。
 前者は義務ではありませんが、出資者への礼儀として、また出資者からの今後のさらなる応援を得るという観点から、必要と考えます。
 後者については、クラウドファンディングでの募集に1~2か月を要する以上、その間に資金力のある他社が模倣することは、否定できません。募集前に、模倣される可能性を十分検討し、場合によっては特許など知的財産権の保護も考える必要があるでしょう。

3.クラウドファンディング 成功のコツ

 クラウドファンディングは、不特定多数の人々から支援を得るものです。見ず知らずの人々の支援を得たいのなら、いかに「共感」を得るか。これが大きなポイントです。

 自分が、何故このプロジェクトを実行したいのか。その結果、どういう成果を生み出したいのか。自分自身の思いやビジョンを率直に語り、人々の感情に訴え、共感を呼び起こす

 また、写真・動画等のビジュアルにも訴える。「支援したい」と思わせるタイトルも考える…共感を得るための様々な工夫が必要です。

 スタートダッシュも重要です。出資者からすれば、1円も集まっていないプロジェクトは、どうしても魅力に欠けます。失敗事例の大半は、初動での達成率が20%以下のプロジェクト、という話もあります。友人・知人や支援者に、募集前から支援をお願いするなど、できる手は全て打ちスタートダッシュに繋げましょう。

 最後に、返礼品の魅力も大切です。成功事例の多くは、出資者の1人平均が1万円以上です。1万円以上を出資したいと思わせるような、魅力的な返礼品を考える必要があります。原価割れになってはいけませんが、1万円を超える負担をお願いする以上は、ある程度の経費負担もやむを得ないでしょう。

まとめ

 クラウドファンディングは、不特定多数から出資を受ける以上、「支援したい」と思わせるような「共感」を得られる工夫が必要です。特に、タイトル付けや、自分自身のビジョンの整理、返礼品の選定などは、入念に考え抜きたいところです。
クラウドファンディング運営サイトをご覧になり、成功事例のアピール方法などを研究しても良いでしょう。 

執筆者

宗像 宏之(中小企業診断士)

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