昨年大きな話題となった大型補助金「中小企業成長加速化補助金」第2次公募要領がついに始まりました。
今回の公募では、事務局より第1次公募の「審査結果(統計データ)」が公表されたことに加え、「第1次公募からの重要な変更点」が公表されています。
特に「100億宣言」のタイミングと「賃上げ要件の厳格化」は、知らずに進めると、申請不可や返還リスクがあるので注意が必要です。
今回は、これらの変更点と、データを踏まえた攻略のポイントを解説いたします。

| 目次 |
| 1.制度概要とスケジュール
2.第1次公募からの変更点(重要) 3.データで見る「第1次公募」の採択分析 4.まとめ |
本補助金は、将来の売上高100億円達成を目指し、大胆な設備投資(1億円以上)を行う中小企業を支援する制度です。
制度概要やスケジュールなどは以下のとおりです。
- 補助率・補助金額
補助率:1/2
補助上限額:5億円 - 補助対象経費
建物費、機械装置費、ソフトウェア費などが対象です。
特に、工場の新設や物流拠点の建築費用(建物費)が含まれるため、製造業や物流業などの設備投資には絶好の機会となります。 - 審査方法
・1次審査:書類審査
・2次審査:プレゼン審査(代表者の出席要) - 第2次公募スケジュール
申請期間が短いため、計画的な準備が必要です 。
申請受付期間: 2月24日(火) ~ 3月26日(木) 15:00
プレゼン審査: 6月22日(月) ~ 7月10日(金)
採択発表: 7月下旬以降
今回の公募要領改訂により、以下の2点が大きく変更されています。
- 「100億宣言」の完了タイミング
第1次公募とは異なり、今回は「補助金の申請時までに、ポータルサイト上で100億宣言が公表されていること」が必須要件となりました 。
宣言の申請から公表までは通常2~3週間を要するため、補助金公募締切直前での駆け込みは間に合いません。
申請を検討する場合は、今すぐ宣言の申請を行う必要があります 。 - 「賃上げ要件」の厳格化
賃上げ目標が未達成の場合のペナルティ(補助金返還)に関する規定がより具体的かつ厳格に示されています。
以下が、今回の賃上げ要件になります。- 従業員の1人当たり給与増加目標は年率4.5%以上
補助事業終了後3年間の給与増加目標(年平均上昇率)として、「4.5%以上(基準率)」を掲げる必要があります 。
これは近年の最低賃金の上昇率を反映した高い水準です。
- 従業員の1人当たり給与増加目標は年率4.5%以上
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- 給与支給総額の目標達成の要件
指標は「1人当たり給与支給総額」または「給与支給総額(会社全体)」のどちらかを選択し、その目標を従業員等に表明のうえ、達成することが要件となります。
- 給与支給総額の目標達成の要件
「給与支給総額(会社全体)」を選択した場合、以下の2つを同時に満たす必要がありますので注意が必要です。
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- 会社全体の給与総額が、自社で設定した目標値以上伸びていること
- 1人当たり給与支給総額も、年率4.5%以上伸びていること
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つまり、「人を増やして総額だけ増やす(1人当たりの給与は上げない)」という抜け道は塞がれており、実質的なベースアップが必須となります。
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- 未達成時の返還規定
目標に満たない場合は、未達成率に応じて補助金の返還が求められます。
また、「基準年度の給与が、申請時の直近決算より1円でも下がっている場合」も返還対象となります。
一時的な業績悪化による賞与カットなども返還リスクが高くなるため、強固な財務基盤が求められます。
- 未達成時の返還規定
事務局より公表された第1次公募の結果(採択倍率 約6.0倍)から、採択企業には以下の明確な傾向が見られました 。
- 「賃上げ」への積極姿勢
採択企業の賃上げ計画値は、申請全体の平均を上回っています 。- 1人当たり給与支給総額の伸び率(年平均):申請全体 4.8% に対し、採択企業は 5.9%
- 給与支給総額の伸び率(年平均):申請全体 9.3% に対し、採択企業は 17.0%
最低賃金の上昇率(4.5%程度)をクリアするだけでなく、投資効果を従業員に還元する姿勢が評価されています。
- 「売上高投資比率」の高さ
採択企業は、自社の売上規模に対して非常に大胆な投資を行っています 。- 売上高投資比率(平均値):申請全体 32.7% に対し、採択企業は 53.5%
売上高の半分以上に相当する額を投資するという「覚悟」が評価されています。
結果的に、売上高が大きい企業よりも、小さな企業の方が採択されたと言えます。
- 売上高投資比率(平均値):申請全体 32.7% に対し、採択企業は 53.5%
本補助金は、投資計画書(40ページ以内)の作成に加え、経営者本人によるプレゼン審査が課されるなど、難易度は極めて高いものです。
当研究会では、第1次公募の傾向分析に基づき、以下のサポートを行っております。
- 「100億宣言」の策定支援
- 説得力のある「投資計画書」の作成支援
- 経営者向け「プレゼンテーション審査」の対策
特に、経営者の皆様は、6月下旬~7月のプレゼン審査のために日程を確保する必要があります。
「自社の投資が対象になるか知りたい」「申請の準備を始めたい」という事業者様は、期限が迫る前に、お早めにご相談ください。
コンサルティング・ビジネス研究会 西川貴人(中小企業診断士)
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