本格的な春の訪れを感じさせる日々が続いています。
新たな年度に向けて、設備投資や事業の計画をお考えの事業者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
この春、事業者様の成長を後押しする様々な補助金が公表されていますが、その中でも注目度の高い、東京都の「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業(以下、躍進的助成金)」についてご案内いたします。
なんと、2025年度は最大2億円まで助成される予定です。
目次 |
1.躍進的助成金とは
2.助成金額及び助成率 3.お勧めの理由 4.対象事業 5.対象経費 6.審査方法 7.スケジュール 8.今からできる準備 |
中小企業の競争力強化やDX、イノベーション推進などを目的とした、大型の設備投資を支援する東京都の助成金です。
2024年度までは上限1億円・最大4分の3の助成率でしたが、2025年度は上限額・助成率ともに拡充されます!
- 助成金額:最大2億円(下限100万円)
- 助成率:1/2・2/3・3/4・4/5
本助成金は、国の補助金に比べて要件のハードルが低いうえに、助成金額が大きく助成率も高いのが特長です。
そのため、自己負担額を大幅に軽減でき、思い切った設備投資の味方となります。
例えば、助成率が4分の3の場合、2億4千万円の設備投資に対し、自己負担は6千万円で済む計算となります。
また、東京都内の拠点(登記上の本店又は支店)への設置だけでなく、以下の条件に当てはまれば、都外への設置も可能な使いやすい制度です。
【東京都外へ設置する場合の条件】
- 基準日現在で東京都内に登記簿上の本店があること
- 近隣7県(神奈川、埼玉、千葉、群馬、栃木、茨城、山梨)に所在する工場等に設置すること
応募の要件として、以下のⅠ~Ⅳのいずれかに該当する必要があります。
※表は昨年秋の公募内容です。次回公募の詳細は未発表ですが、例年大きな変更はないため、同様の内容になると予想されます。
事業区分 | 内容 | 具体例 |
Ⅰ.競争力強化 | 更なる発展に向けて、競争力強化を目指した事業展開に必要となる機械設備を導入する |
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Ⅱ.DX推進 | IoT、AI、ロボット等のデジタル技術を活用し、新しい製品・サービスの構築や経営の変革に必要な機械設備を導入する |
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Ⅲ.イノベーション | 都市課題の解決に貢献し、市場の拡大が期待される産業分野において、新事業活動に取り組み、イノベーションを創出する為に必要な機械設備を導入する | 指定された産業分野における以下の取り組み
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Ⅳ.後継者チャレンジ | 事業承継を契機として、後継者による事業多角化や経営課題の解決に必要となる設備等を導入する |
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単価50万円以上で、税法上の固定資産として登録される機械装置・器具備品・ソフトウェアが助成対象になります。
但し、ソフトウェアの金額には制限が設けられる可能性が高いため正確な内容は公募要領の発表後にご確認ください。
躍進的助成金の留意点は、一次審査(書類審査)の通過後に二次審査(面接審査)があることです。
面接に参加できるのは、応募する事業者の役員・従業員のみでコンサルタントなど外部の人間は同席できません。
また、社長自身が面接に出席し、事業計画をしっかり説明することが採択のポイントとなっています。
次回公募のスケジュールはまだ公表されていませんが、昨年のスケジュールから以下のとおり予想されます。
正確なスケジュールは、公募要領の発表後にご確認ください。
- 公募要領の発表 :4月上旬~中旬
- 申請予約期間 :5月上旬~下旬
- 申請書類提出期間:5月中旬~6月上旬
- 一次審査結果通知:7月下旬頃
- 二次審査(面接):8月中旬~9月上旬
- 採択(合格)決定:9月中旬
- 助成対象期間 :10月から1年6か月以内
金額が大きく使い勝手の良い躍進的助成金ですが、その分人気も高く、決して簡単に採択されるものではありません。
採択率を高めるために、十分な余裕をもって今から事業計画の検討を始めましょう。
また、応募時に見積書や相見積書の提出が求められますので、早めにメーカー等と商談することをお勧めします。
CB研究会では、本助成金の事業計画作成だけでなく、見積書など提出書類の内容チェックや、面接審査の対策も含めたトータルサポートを行っております。ぜひご相談ください。
コンサルティング・ビジネス研究会 新實 朋子(中小企業診断士)