本書は、年間1000万PVを誇るブログ「No Second Life」を主宰する立花岳志氏の情報発信術の指南書です。自身が、サラリーマンの傍ら始めたブログが人気を博し41歳で「ブロガー」として独立した実体験をもとに、誰だって「好きなことを仕事にしてたくさんのお金を稼ぎ、多くの人の幸せに貢献して心身ともに豊かに満たされて生きる人生」を実現できると熱く訴えています。
1.情報発信の鉄則
2.情報発信の心構え
3.自分ブランディング
4.まとめ
これまではマスコミがメディアを持ち情報発信を半ば独占的に行ってきましたが、インターネットの出現により誰でも情報の出し手になることができるようになりました。しかし、現在インターネット社会では大半の人が情報の受け手になっています。
本書では、個人ブログを中核の情報発信ツールととらえ、情報発信と単なる情報交流との違いや、ノウハウとしての情報発信の質、量、頻度のコツについて記述があります。その中でもタイトルにある通り、情報発信のテーマを「好き」なことに注目してハードルを下げ、まずスタートを切ることが大切だと述べています。
ブログを中核とした情報発信について、どのように世の中に知ってもらえるのか、更には、タイトルにある通り実際に「お金」にどのように転換していくのかについても述べられています。
SNSとの連携やその後の展開としての出版やセミナー運営のノウハウについて、もちろん記述がありますが、それよりも「お金」に転換するための大事な心構えとして、損得勘定は抜きにして、信頼される内容であることが大切だと述べられています。
また、本書では情報発信によって、通常の自己実現と言われる富や名声だけではなく、ブログなどの影響力を行使し、自己実現を超える自己超越や第三人称の自己実現を獲得できると述べられています。
つまり、自身の情報発信を受けた人々から感謝され、称賛される状態のことです。これを繰り返すことで、「お金」を獲得できるだけでなく、更に視座を高く、視野を広げることにより、情報発信のグレードが上がり、人生のグレードも上がる良いスパイラルに入ることができるとも指摘しています。
企業経営の場面において、今まで以上に顧客や人材獲得のためにパーソナリティー溢れる特色を出し、差別化を図るため情報発信が不可欠な環境にあるのではないでしょうか。本書ではそれらの情報発信を必要とする企業経営者にとって有用な書籍と言えます。
また、働き方改革で時間の創出が可能になり、起業、独立を目指す会社員が次のステップを踏み出すまでの準備期間に有効なスキルやノウハウが詰まった書籍とも言えます。
伊藤 修一郎(中小企業診断士)