事業を起こす起業家だけがアントレプレナーではありません。ドラッカーは、経済活動に関わる全ての人がアントレプレナーになるべきであり、さもなくば社会は衰退すると説いています。本コラムにてその真意を解説します。
目次 |
1.誰もがアントレプレナーであること
2.アントレプレナーは変化を利する 3.アントレプレナーを支える補助金・助成金について 4.まとめ |
経済活動に関わる人全てが「アントレプレナー」です。
「アントレプレナー」、難しい言葉ですね。様々なwebサイトで、その意味が解説されています。一般的には、アントレプレナーとは「起業家」すなわち「自ら事業を起こす人」という意味で使用されます。しかし、ビジネスシーンにおいては、「業」に捉われることなく範囲を大きく広げ、「企業家」すなわち「何か新しいことをする人、企画をする人」の意味で使用されます。後者には、「新しいことにチャレンジし、既存の状況に変化をもたらす人」という意味が含まれます。この意味だと、多くの企業が採用の場でアントレプレナーシップを持つ人を求めることは納得ですね。
現代マネジメント学の礎を築いたといわれるドラッカーも、「アントレプレナー」を「企業家」という意味で使用しています。「アントレプレナー」とは「変化を利する人」であると定義し、起業する人にとどまらず、経済活動に関わる人全てが「アントレプレナー(企業家)」である(べき)であると説いています(ピーター・F・ドラッカー、『イノベーションと企業家精神』1985年) 。
アントレプレナーとは変化を利する人であり、今まさに求められている人です。
ドラッカーは、以下のように説いています(筆者の解釈が入っています)。
アントレプレナーになるためのサポートをどんどん受けましょう。
アントレプレナーとなり様々な変化に対応していくことは、競争の激しい業界において生き残り、かつ更なる発展のために必要なことです。しかし企業の多くは、何とかしないといけない危機感を感じてはいるが、今やっていることで精一杯であったり、人手不足や資金不足のため余裕がないといった新しいことまで手が回らなかったりという状況です。中小企業における人手不足は既に起こっている変化ですが、国や地方自治体からの中小企業へのサポート(補助金・助成金)が増加してきていることも、既に起こっている変化です。これらの変化をよい機会として捉え、アントレプレナーシップを発揮していくことこそが必要です。人手不足の問題は大きな脅威ではありますが、ITシステム導入に関する補助金と組み合わせれば、業務効率化を達成できる機会と捉えることができます。
また、補助金・助成金への応募は、一旦自分の立ち位置・現状を認識し、今後の方向性を考える絶好の契機となります。それは、経営計画書という形で表現されます。採択されれば、期日内に遂行するモチベーションにもなります。人手不足解消のための採用費や人件費をカバーできる、創業助成金があります。また、人件費のカバーはできませんが、補助金の用途が広く使い勝手のよい、小規模事業者持続化補助金などもあります。詳しくは、本サイトの別コラムで多数紹介していますので、是非ご参照ください。
アントレプレナーとは、変化を見つけ、変化に対応し、自らを変化させ、変化を自分のものにする人であり、アントレプレナーシップはその行動です。これにより、変化が引き起こす未来を制し、成長し続ける企業を造ることが可能です。一人ひとりがアントレプレナーシップを身に付けることをおすすめします。
コンサルティング・ビジネス研究会 執筆チーム(中小企業診断士)
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